2006年11月 3日 (金)

NPO会計基準統一

 日本経済新聞土曜日朝刊一面によると、内閣府はNPO法人の会計基準を統一する方針を固め、2008年度導入を目指すとありました。

 http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20061103AT3S2800B02112006.html

1.政府の狙いは?

 各NPO法人の会計基準を統一することで財務内容を透明にし、個人や企業がNPO法人に寄付金を出しやすくすることにより、NPO法人の財務基盤が高まり、安部政府が目指す、「民間が担う公共サービス」にNPO法人が参入しやすくなるのではと考えているようです。

 これまでのNPO法人に対しては、決められた会計基準は決められていなかったため、各法人ごとに会計方式が異なるケースも多く、透明性と言う点では疑問符が多かったのです。会計に関する計算書類を所轄庁に提出しなければなりませんが、ほんま法人毎にバラバラが実情です。

 NPO法人の資金源は、理解者、支援者からの寄付に頼る所も多いのですが、個人や企業にとっては、会計の不透明性も寄付を躊躇する原因の一つでもありました。会計基準の統一により、社会貢献を検討する個人や企業も増えるといいですね。

2.具体的な内容

 民間企業なみの資産や負債の増減を記載する複式簿記をを原則として採用し、貸借対照表と損益計算書を作成させる模様です。
 現在のNPO法では、「正規の簿記」「真実性」「継続性」と言う会計原則の規定はありますが、要は「きっちり」記帳していれば、複式簿記ではなく単式簿記でもかまわないのです。複式簿記がポイントですね。

 ただし、「市民の主体性を重視したNPO法の趣旨に反する」との反発も予想されるため、基準の義務化は見送る方向のようです。

3.税制上の問題点

 今回の会計基準統一は、税制にも大きく影響してくると思われます。NPO法人は税制上、公益法人となります。
 公益法人に対して個人が寄付した場合、一定の金額が寄付金控除として、所得から控除でき、所得税が軽減する優遇措置があります。

 ただし、NPO法人は、全国に約28,000ありますが、寄付金での税制上の恩恵を受けられるのは、国税庁から認定された法人だけに限られるのです。しかも、認定NPO法人は現在たった48法人しかないのです。一般のNPO法人は何ら優遇措置はないのが実情です。

 対してアメリカでは、税制優遇措置の受けられるNPO法人は、全米で約90万団体あり、毎年4万団体ずつ増えていいて、認定が受けられる率も約95%だそうです。えらい違いですね。

 内閣府は、会計基準統一で会計の透明性を高めることにより、認定を受けやすくし、NPO法人が税制の優遇措置を受けられるようにする。そうなれば、企業や個人もより寄付がし易くなるのではと言う狙いもあるそうですが、国税庁は果たしてすんなり受け入れてくれるのでしょうか?すんなり受け入れて欲しいと思います。

 税制上の優遇措置もアメリカと比較すると、大きな違いがあります。政府の調査によると、日本での一人当たりの寄付金は、年間約19,000円だそうです。アメリカでは、一人当たり約180、000円で約10倍もの開きがあり、原因の一つが税制の問題です。

 日本では、個人が一定の寄付をした場合、5,000円を超える金額が所得税の計算上、寄付金控除の対象となりますが、所得の30%が限度となっています。所得の30%を超える寄付をしても、超える金額は控除してくれないことになります。控除できなかった分の翌年への繰越もありません。

 アメリカでは、寄付先がパブリックの場合の限度は所得の50%、プライベートの場合は所得の30%で、その年で控除出来なかった分は5年間繰り越せることが出来るそうです。 これまたえらい違いですね。今回の会計基準統一と共に、税制の優遇措置の中味も検討して欲しいな。

 <練習日誌>

 2日(水) 走らず

 3日(木) 走らず  左足の土踏まず近辺痛い。

 

 

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2006年9月10日 (日)

ヘルパー養成事業は収益事業か?

1. 介護事業を行うNPO法人が、介護ヘルパー2級を養成するための講座を行った場合、収益事業に該当するかどうか?

 介護事業者が行う介護保険法に規定する事業は、「医療保健業」に該当し、法人税法上収益事業に該当します。介護ヘルパー養成事業は、介護事業に付随関連して行われるものなので、NPO法人が介護事業を特定非営利活動で行う事業としているならば、収益事業に該当します。

 6日(水)に私が講師を担当させてもらったNPOの講座で表記質問があった。

2.NPO法人が課税される収益事業とは?

 ①課税される収益事業には3つの要件があり、1) 政令で定める事業(33業種)で、     2)継続して、 3) 事業場を設けて 行われている場合に課税されます。3つの条件をひとつでも欠ければ、NPO法人が行っている事業は、収益事業に該当せず、法人税は課税されません。

  33業種とは、物品販売業 、不動産販売業、金銭貸付業、物品貸付業、不動産貸付業、製造業、通信業、放送業、運送業、倉庫業、請負業、印刷業、出版業、写真業、席貸業、旅館業、料理飲食店業、周旋業、代理業、仲立業、問屋業、鉱業、土石採取業、浴場業、理容業、美容業、興行業、遊技所業、遊覧所業、医療保健業、技芸教授業、駐車場業、信用保証業、無体財産権提供業・・・です。

 課税される33業種は上記に限定され、例えば

★農業、林業、水産業は33業種のどれにも該当しないので収益事業ではありません。

★ボランテイアセミナー、英会話教室、パソコン教室等は「技芸教授業」に該当しないので収益事業ではありません。

 実は、「技芸教授業」も洋裁、和裁、着物着付け、編物、手芸、料理、理容、美容、茶道、生花、演劇、演芸、舞踊、舞踏、音楽、絵画、書道、写真、工芸、デザイン、自動車操縦若しくは小型船舶の操縦の技芸の教授(これらの内一定の技芸教授をのぞく)に限定されており、該当しない英会話教室などは収益事業とはならないのです。

 この限定技芸が法律で決められたのはずいぶんと昔の話で、現在の時代では遠くかけ離れていると指摘されています。しかし、法律の改正が無い以上限定技芸以外は課税されないのです。

 今回の質問では、ヘルパー養成事業が「技芸」に該当し、限定技芸業ではないので、課税されないのではと言う趣旨もある質問でした。

 しかし、法律では「その性質上その事業に付随して行われる行為を含む。」とされており、今回の場合、本来の介護事業は「医療保健業」に該当し、ヘルパー養成事業は介護事業の付随事業として収益事業となった訳です。

 <付随行為>の例としては、下記のようなものが挙げられています。

★出版業を営む公益法人等が行うその出版に係る業務に関係する講演会の開催又はその業務係る出版物に掲載する広告の引き受け

手芸教室等を行う法人がその事業に関連して開催するバザー等

 ②継続してとは?  → 反復しておこなうものとされています。例えば年1,2回のバザー販売等は含まれません。

 ③ 事業場を設けて → 通信販売、移動販売等も含まれます。

3.もし社会福祉法人だったら?

 仮に今回のNPO法人が社会福祉法人としたら、ヘルパー養成事業は収益事業にはならないのではと思います。

 なぜなら、社会福祉法人が行う介護保険事業は「医療保健業」に該当せず、収益事業とされないからです。そうした場合ヘルパー養成事業の課税されないので、付随事業とはされず収益事業にはあたらないのではと考えるからです。

 NPO法人が行う介護保険事業  → 収益事業

 社会福祉法人が行う介護保険事業 → 非収益事業

 現在の税制は今のところこうなっています。同じことをしているのに?とも感じますが、NPO法人が次々と設立され、社会的認知度も高まって来ている中、今後、法人で従事される皆さんの活動によって、税制面の不公平さを変えて行って欲しいなと思うんだ。

               

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